「引きこもり」。世間との断絶をはかり、一切の「面と向かっての直接コミュニケーション」を拒絶する(その分ネットでの「肉体を介さないコミュニケーション」にはまりがちな)人間の総称・・・。 「コミュニケーション」を恐れる感情はどこからくるのだろう。おそらく「優しすぎるがために、自分の感情を殺しすぎて傷つく」タイプの人間が、自然に自己防衛本能として、そういう行動に移ってしまうのかなぁと思います。 「 Serial Experiments Lain」は、別に、典型的な引きこもりなキャラはでてこないんですが(もちろん引きこもりを肯定するものでもない)、「他者とのコミュニケーション」、「自分の存在意義」といったことを一貫して問おうとしているように思えます。作品の中で、多様な人物がそういうことについての討論をするからです (とはいえ別に延々討論するアニメではない。そういうディープな感じになるのは作品の終盤。そこまで見ないと、表層的なデジタルなキーワード(「デバイス」「ネットワーク」「アプリケーション」など)を並べ立ててるだけの「なんか今っぽくていい感じ」な作品の印象で終わってしまう危険性あり。) ・・・まぁ、上記のような陰鬱なテーマには「俺ぁ無関係だな」と思う人でも、そういう表層的な楽しみ方もアリな人はそれはそれで楽しめると思いますし。ゼヒおすすめです。 「他人がどう思うかじゃねー。自分はどうしたいんだ?」・・・ここで「世間と断絶したい」と答える人、質問の核心が見えてないのでふりだしに戻りましょう。
|