前回、iConnectMIDI2+を使って「DAWの音をiPadエフェクターに送る+DAWに戻す(デジタルオーディオ送受信)」方法を説明しました。今回の記事内容と合わせれば、iPadエフェクターをDAWでプラグイン的に使うことが可能になります。(全デジタルで)
注:アプリによります
今回説明する「MIDIオートメーション記録+再生(エフェクター演奏をDAWでコントロール)」は、アプリによってできるできないがあるようです。SugarBytesのTurnadoはできましたが、WOW2 Filterboxはトライしてみましたが分かりませんでした。
アプリ側に、MIDI CCを外部に送信する機能がないと、DAWでの記録は無理ですし
また、アプリ側でDAWから操作したいパラメータにMIDI CCが割り当てられていないと、これも無理です。
今回、ソフトは以下を使います。
エフェクター:SugarBytes Turnado
DAW:Ableton Live
事前準備
MIDI通信するためのiConnenctMIDI2+事前設定
iConnectMIDI2+は、1つのUSB端子が4つの仮想MIDI端子の働きをします。(1本のUSBケーブル内に4本のMIDIケーブルが通っているイメージ)
PC/Mac側とiPad側にそれぞれ4つのMIDIポートがありますが、内部的にどれとどれを繋げるか、自由に設定できるようになっています。(MIDIルーティング)
iConnectMIDI2+内部でのMIDIルーティング設定
iConnectMIDI2+に入ってきたMIDI信号を、どのポートから出力するかを設定します。
※注・・・iConnectMIDI2+の初期設定では、「iCM2 USB 1.3」と「iCM USB 2.3」、「iCM2 USB 1.4」と「iCM USB 2.4」がそれぞれルーテイングされているので、これらのポートを使用するのであればこの設定は不要です。他のポートを使用する場合は、以下を参考に設定を変更してください。
Mac/PCから付属アプリの「iConnectivity iConfig」を起動し、「Port Routing」を選択します。
iPadからDAWへ
iConnectMIDI2+内で「iCM2 USB 1.3」に来たMIDI信号を、「iCM USB 2.3」に送る設定
DAWからiPadへ
iConnectMIDI2+内で「iCM2 USB 2.3」に来たMIDI信号を、「iCM USB 1.3」に送る設定
iPadエフェクターからのMIDI出力設定
今回は「iCM2 USB 1.3」を使う事にします。
エフェクターアプリの設定画面を開きます。
Turnadoの場合は歯車アイコンを押し、メニューからMIDIを押します。
Destinations(送信先)にiConnectMIDI2+側のMIDI受信ポートが一覧表示されます。使いたいポートがOnになっているか確認します。よく分からなければとりあえず全部Onにします。
MIDIチャンネルを厳密に指定したい場合はChannelも変更します。
また「SETTINGS」の「Activate MIDI Out」の左側にチェックが入っているか確認します。
DAWでのMIDI受信設定
iPad側からはiConnectMIDI2+の「iCM2 USB 1.3」に送る事にしたので
iConnectMIDI2+からの出力は、先ほどのルーティングの通り「iCM USB 2.3」になります。
なので、DAWのMIDI入力でそれを指定します。
Ableton Liveの場合は「MIDI From」>「iConnectMIDI2+ (iCM2 USB 2.3)」を指定します。
同トラックのMonitorをInにしてiPadエフェクターを操作すると、ちゃんとMIDI信号がDAWに来ていればメーターが反応します。確認してみてください。
iPadエフェクター操作を、DAW(PC/Mac)のMIDIトラックに記録
iPadエフェクターアプリTurnadoに戻ります。
Turnadoの場合、8つのコントローラがあり、それぞれMIDIのCC1〜8として外部に送信されます。
Ableton LiveでMIDIレコーディングしてみます。
レコーディング開始して、
エフェクターを操作します。画面下半分のパッドは、上部のノブが割り当てられており、左上がノブ1・2、右上が3・4、左下が5・6、右下が7・8となっています。
レコーディング結果をチェック
レコーディング停止し、今できたMIDIクリップをダブルクリック、左下のClipウィンドウの「E」ボタンからエンベロープ画面を表示します。下図は、「MIDI CC8」つまりノブ8の操作が記録された状態です。
他のノブのパラメータを確認するには以下から選択します。
使っていない全パラメータまで表示されて操作がうっとおしいなら、
「調整したエンベロープのみ表示」を選択すると、コントロールデータがあるものだけ表示されるようになります。
この場合、MIDI CC3、4、7、8にのみデータが記録されています。
次は再生です。
iPadエフェクター操作を、DAW(PC/Mac)のMIDIトラックから再生
DAWからのMIDI出力設定
先ほど記録したクリップを別のMIDIトラックに移し、MIDI To から出力先MIDIチャンネルを指定します。
ここでは「iCM2 USB 2.3」を指定します。
iPadエフェクターでのMIDI受信設定
エフェクターアプリの設定画面を開きます。
Turnadoの場合は歯車アイコンを押し、メニューからMIDIを押します。
Sources(送信元)にiConnectMIDI2+側のMIDI送信ポートが一覧表示されます。
今回のルーティング設定だと「iCM2 USB 1.3」に送られてくるのでOnになっているか確認します。よく分からなければとりあえず全部Onにします。
MIDIチャンネルを厳密に指定したい場合はChannelをONMIから任意のものに変更します。
これで鳴るはず。MIDI再生してみましょう
MIDI再生してもツマミが反応しない場合
動かしたいツマミのMIDI CCの番号とDAWのMIDIトラックで記録されているMIDI CC番号が一致しているか確認してみてください。MIDI CCが消えていたり一致していない場合は、MIDI LearnでCCを振り直します。
Turnadoの場合は、ツマミを押し続けると、現在のCCが表示され、MIDI Learnが使えるようになります。Learnをタップしてツマミを動かすと、CCがアサインされます。
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