先週のネットラジオ「 東京ゲームラウンジ」で、平林久和さん(ゲームアナリスト)が言ってたんですが、 「『 R4』が発売されたとき、その広告として、街じゅうに『R4』のロゴだけ描かれた広告があふれた。しかしこれでは消費者にゲームの内容が全く伝わらないではないか。イメージのかっこよさだけを伝えるだけで。これはゲームクリエイター側の驕りじゃないかと思った。ちょっと違うのではと思った。」 確かに、「商品内容を具体的に伝える」という作用はなさない。同感です。 この、「イメージだけで売り込む戦略」というのは、 SONYが PlayStationを売り込むときに使った戦略で、これは大成功を収めました。テレビゲームの「オタクっぽい」イメージを与えなかったからでしょう。 このことがあってから、各ゲームメーカーはこぞってこの戦略を採用( 任天堂以外)。当時(今もだけれど)ゲームの売上は相当厳しい状況で、藁にもすがる思いだった各社は、やっと打開策を見つけた!と喜々揚々としてこのような広告をうっていたのだと思います。 しかしこの戦略自体がマンネリ化しだして(もしくはSONYが打ち出す広告ほどのクオリティを出せず)、あまり効果がなくなって、結局「商品内容を具体的に伝える」戦略に戻しているところもちらほら。 結局この現象はゲーム業界になんの功績ももたらさなかったのか?答えは「ノー」だと思います。なぜなら、この現象とだいたい同時期から、各社は、ゲームの中でカッコつけるようになったからです。 「かっこいい」モーショングラフィクスや「かっこいい」カメラワークや編集がなされたムービー(それまではカメラワークや編集という概念さえ知らないのではと思えるほどひどかった)、「かっこいい」ユーザーインターフェース・・・。 やはりそういうものは見ていて気持ちいいもので、ゲームにスタイリッシュさを与えた・・・かなり乱暴な言い方をすれば「見た目のヤバイオタクにオシャレを覚えさせた」ようなもんでしょうか。 ゲーム業界はライトユーザーに、がんばってアピールしているんです。冴えない男が高嶺の花の女に振り向いてもらえるようにドタバタ奔走するように。…こんなやつぁ応援したくなるじゃないですか。
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